第29章 28 Melody.〜L〜

〝離れたくない––––〟


と、が全身で言ってるのが伝わってくる。
それはこっちだって同じだ。


しかし無情にも限界が直ぐそこにまで来ている。


終わりが……近い。



（あまり保たない……っ）
「ねぇ……少しだけこっち見てよ……」

「え……？んっ––––！んんっ……！」

（ごめん……やっぱりキミの顔を見ていたい……）
「ッハァ……っ……！」

「んぁぁっ……て、んっ……！」

（可愛いその顔をね……）



を想い続けてきて良かった。
諦めてたら……この幸せはない。


噛み締めた唇、叩きつけた拳、痛かった心……。
それは彼女と再会し、想いと身体を重ねた事で全て癒された。


あれだけ避けられても、彼女にどんな過去があっても……


やっぱりボクは……がいい。



（限界っ……）
「……っ」

「っはぁ……うぅっ……」

（寂しそうにしないで……）
「変な顔っ……」

「酷いっ……」

「嘘だよ……ねぇ、キミはボクの何っ……？」

「っ……彼女っ……」

「そう、キミは……」

「っ……」



〝ボクの自慢だ……〟




◆28 Melody.〜L〜END◆