第29章 28 Melody.〜L〜
の甘い声を聴いているとどうも調子が狂ってくる。
身体が落ち着かなくて……今度はこっちが震えてしまう。
キスだけでも足りない。
耳だけでも足りない。
首筋だけでも足りない。
もう……足りない事だらけ。
(綺麗な脚……)
堪らなくなって、彼女の太ももを少し撫でてみる。
手のひらから感じるその滑らかな感触は、更にボクを高揚させ……熱を宿させた。
そのせいか、肌に寄せていた唇が徐々に胸元にまで下がり始める。
「ひゃっ……!」
(……あまり出てない)
「天っ……どこ触っ––––」
「喋らないで。キミの可愛い声が出てこなくなるでしょう」
「可愛いっ……?」
「そう……」
「っ……!んぁぁっ!」
「その声……」
そして優しく触れてみたの熱い部分。
いや……熱い筈の部分と言った方がいい。
あれだけ感じていたんだから、多少は反応があるかと思ったのに……彼女は全くと言っていいほど濡らしていなかったから。
これが何も知らない女の身体……。
ここから先は更に神経を使って愛でていかないと、には辛い思いをさせるだけとなってしまう。
「どう?気持ち良い?」
「ッハァ……えぇっ……」
「ねぇ、教えて……」
「んぁぁっ……!あっ……やだぁ……っ」
「感じるんでしょう……?」
だからボクは指を後回しにして撫でたんだ。
きっとさっきよりは感じてくれるはずだから。
いきなり指で苦しめるよりは全然いい……。