第22章 21 Melody.
えっ、天が来るの?!
なんて驚いてる暇もないくらいこの寮はバタバタとしている。
訳もなく笑い続ける龍さんは時々呪文みたいな事を口にするし
そんな彼を落ち着かせようと、楽さんの声は段々大きくなるしで……もう大変だ。
「Kiss me Kiss me〜!」
(え……?!)
「おい龍!何の歌歌ってんだよ……!」
「え〜?だってさ〜テンション上がるしさ〜。俺明るい曲大好きなんだ!!」
「はいはいそうだな……!」
「楽〜、一緒に歌おう!!Kiss me Kiss me〜!」
「こんな所で歌うかよ……!」
一体何をしに来たのか謎のまま時間だけが過ぎていく。
とりあえず十さんをなんとかしようと、三月さんと大和さんが加勢して頑張っているがなかなか言う事を聞かない。
お酒って怖い飲み物だ。
(そ、そうだ縄……!)
「三月さん!大和さん!これを!」
「おう!って……縄?!」
「まさかお前さん、十さんを縛り上げるって言うんじゃねーよな」
「いいえ、ちょっと違います!楽さんもです!」
「なっ!おい!なんで俺もなんだよ!」
「てっ……く、九条さんからの命令です!さあ2人とも!端を持ってください!」
「いいのかわかんねぇけど……」
「とりあえず縛っときますかー」
「ちょ、まっ!ふざけんなっ……!」