• テキストサイズ

【DBトラ】幼馴染

第2章 後編



 ――訊かなきゃよかった。

 瞬時に後悔する。

 でも今更止まれない。


「あ、そうなんだ! え……もしかして、もう付き合ったりしてるの!?」


 心の動揺を悟られたくなくて、わざと明るく振舞うユメ。


「まだ、付き合ってはいない」

「あ……そう、なの?」

「でも、付き合いたいとは思ってる」

「ト……トランクスの彼女になれる人って幸せだね! どんな人だろ、きっとキレイな人なんだろうなぁ~」


 口が止まらない。

 今言葉を止めたら、……少しでも会話が途切れたら、


 ――涙がこぼれてしまいそうだった……。


「うまくいったら紹介してよね! ――お、幼なじみなんだしさっ」


 自分で言った言葉が、重く胸にのしかかる。

 痛いよ。

 ……いやだよ。

 彼女なんて、作らないで……!

 ただの幼なじみなんて、イヤだよ……!!


「ユメは? オレに紹介してくれないの?」

「私のことはいいの! ただの……片思いだし! それよりトランクスは告白しないの? ……そのコにさ!」

「したいんだけど、迷惑かなって……」

「何言ってるの! トランクスに告白されて迷惑するコなんていないって!」

「……そうかな」

「うん、そうだよ!」

「じゃぁ、……告白しようかな」


 ……ばか!

 その気にさせてどうするの……!?


 そう思っても勝手に、“がんばって!” なんて逆の言葉が出てきてしまう。


 もうイヤ!

 ばかみたい……。

 幼なじみなんて、好きにならなきゃ良かった……。


 ……もう、帰りたい。


 ――と、トランクスが小さく息を吸った。


「ユメ」

「ん?」

「好きだよ」


 ………………?


 思考が停止する。

 トランクスが、真剣な、でも少し照れたような表情でこちらを見ている。

 そして、もう一度、


「オレは、ユメが好きだ」


と言った。

 ……そう、聞こえた。

/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp