第1章 春
「ほんとにここで大丈夫・・・なのか?」
「人なら来ませんよ。ここ、立ち入り禁止ですし。」
「いや、でも・・・・なぜトイレ?」
「だって後藤さん、したあと絶対にたつでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・」
真っ赤な顔の後藤を完全に無視して、伊月は便器に座った後藤の首にそっと口をあてた。そして・・・
「つっ!!」
その首に牙を突き立てた。そう、伊月は吸血鬼なのだ。
ジュルルルルル
「・・・・・・ぷはっ!!」
「・・・・・・」
「・・・・後藤さんはほんとにマゾですね」
「なっ!!」
「ほら、やっぱりたってる」
伊月は、にこっと微笑んだ。