第11章 白鷲の帝王と及川の秘密
『・・・ん、』
目を覚ますと、そこは薄暗い部屋のベッドの上
・・・あたしあの後どうなったんだっけ・・・?
そうだ、赤髪のお兄さんと話してて、国見さんが来たと思ったら倒れて・・・
『・・・!国見さッ!?』
ベッドから飛び起きたら頭の後ろが痛くなった
そうだ、あたし誰かに後ろから殴られたんだ
ゆっくりとベッドから降りると誰かが入ってきた
それは、国見さんの知り合いの白布だった
「…目が覚めたなら来て。」
と、それだけ言ってまた戻って行った
・・・国見さんと言い白布さんと言い不愛想にもほどがある
でも、状況が分かっていないあたしはその人の言うとおりに彼の後を追った
部屋から出ると、そこは広いダイニングだった
部屋の中央に置かれた大きなソファには、これまた知らないお兄さん・・・いやおじさん?
その片割れに白布さんともう1人毛先の黒くて灰色っぽい髪のお兄さんがいた
「牛島さん、彼女が…」
「…そうか」
と、ソファのおじさんが立ち上がってあたしのもとへ来た
その人も結構大きな人だった・・・
「…確かに、よく似ている」
と、目の前に立つおじさんはそうつぶやきながらあたしの頬を撫でた
びっくりしたあたしは触れられた頬を抑えながら後ずさりをした
『なっ…なんですか!?ここどこですか?おじさんは誰ですか!?
あたしはなんでここに!?』
「騒々しいところは似てないな。ここは梟谷の社長の家だ。俺は牛島若利。白鳥沢組の現総帥で一応27歳だ。お前に話しがあって呼んだ」
『…物凄い簡潔にありがとうございます。…あれ?』
・・・白鳥沢って言った?