第38章 ワガママな子
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俺は、屋上の淵に立ってまた夜琉ちゃんを見た。よく似た大好きな人の娘で・・・俺にとってはきっと大事な女の子だったと思うのに・・・それに気づいたのは、ついさっきだった
彼女のおかげで、俺はやっと自分の過ちに気が付いたけど・・・もう後戻りはできなかった。夜琉ちゃんも・・・岩ちゃんも傷つけた
だから・・・もう俺は戻れない
俺は、夜琉ちゃんに支えられているクロ君を見た。
彼にもいろいろひどいことしちゃったけど、彼にしか頼めなかった。
俺が今からやることが分かっちゃったら、きっと夜琉ちゃんは止めると思ったから
だから、俺は彼に無言で伝えた・・・
「夜琉ちゃんを、お願いって」
それが分かったみたいで、夜琉ちゃんの肩を抱いた。
それを見た俺はそのまま青い空を仰いで背中に風を感じた
下を見たら、決意が鈍りかねないからね。そのまま空から離れた方がいいと思った
夜琉ちゃんが大きな声で叫んでいる。
ごめんね・・・俺は、もうこうするしかないんだよ・・・
バイバイ・・・夜琉ちゃん・・・岩ちゃん・・・
ガッ!!
・・・どうして?
・・・地獄道は付き合ってやろうと思ったが、地獄に行くのも行かせるのもごめんだからな。
一緒に、やり直そうぜ・・・徹