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いい子悪い子、愛しい子 《ハイキュー!!》

第37章 真実


「及川、自分を見失うな…。夜琉をも失ったとしてもお前はまだやり直せる。紫乃さんのためにも…」


「お前に何が分かるんだよ!!!」


我に返ったとしても、及川はまだ平常心を保てずにいた。
牛島の言葉なんて届くはずがない


「…俺は、今までずっと…紫乃さんのためだと思って…夜琉ちゃんまで巻き込んで…」


及川は銃を落としてそのまま膝をついた
自分の犯してきたことが間違いだったとようやく気が付いたのだ。


「…ッ…いっ…岩ちゃ…ごめ、…ごめんなさ…」


自分の過ちに気づき彼の脳裏に浮かんだのは、岩泉の顔だった。

最後まで自分のために、夜琉や紫乃のためにいろいろ言ってくれていたのに・・・それを、傷つけてしまったことに対しての負い目を感じて、彼は涙を流した



「…いまさら、泣いてんじゃねえよ…ッ!!」


膝をついて泣く及川を怒鳴ったのは、黒尾だった。

傷だらけの身体を起こし及川の元へ行き、及川のの襟元を掴んで彼を立たせる


「お前のせいで…夜琉が…」


黒尾も柄にもなく目に涙を浮かべて及川に問い詰める
だが、黒尾にまだ用事がある大将が再び黒尾に銃を向けて発射した。

足を撃たれた黒尾は、及川にもたれるような形で倒れた。


「…クロくん、ごめんね…君のことも巻き込んじゃって…」


及川は自分の足元でうずくまる黒尾を見下ろしてから、自身は夜琉が落ちた方へと歩く。何をしようとしたか分かった黒尾はかすれる声で止める


「待て、テメエ…、そんなことして…それで許されるなんて思ってねえ…だろ…な」


「思ってないよ…。でも、もう俺にはこうするしか…」


屋上の端に立って高いビル群に目をやる
そして、何かを覚悟するかのように・・・目を閉じた


大好きだった、あの人や・・・彼や・・・彼女を思いながら・・・


























――――――――――待って!!及川さん!!!









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