第35章 黒猫と決戦前夜
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夜琉が寝てしまってすぐ、俺はある場所に電話をした
「あぁ、俺だ」
〈何ですか…?俺眠いんですけど…〉
「嘘つけ、木兎が寝た後もお前普通に仕事してんだろ。」
電話の相手は赤葦。こいつに頼みがあって電話をした。足元に白猫のルカがすり寄ってきている。
〈…手短にお願いします〉
「・・・俺のアレってまだ残ってるか?」
〈…あれですか?…それは貴方が木兎さんに頼んで封印(仮)したんじゃなかったでしたっけ?〉
「(仮)ってわざわざ言うな。アレをもう一度使わせてくれ」
〈…彼女のためにもう使わないんじゃなかったんですか?〉
「…今度は彼女のために使うんだ」
俺の空気を察したのか、ルカが足元から離れていった。
すると、ケータイの向こうで赤葦が誰かと変わった。
赤葦が事情を話してそいつと変わった。
〈おい、黒尾〉
「…木兎」
〈お前、もう武器は持たねえんじゃねえのか?〉
「…でも、今使わねえと…俺がここにいる意味がねえんだ。頼む…もう一度だけだ…」
〈・・・。〉
いつもはうるさい木兎が電話越しにすごく静かにため息をついた。
〈赤葦、アレもってこい…。…いいんですか?…あぁ、責任は俺がとる。……黒尾〉
「あ?」
〈・・・あの子をちゃんと守ってやれよ〉
「…分かってる」