第34章 月明り
『こ、今度って…』
「だから黒尾さんに話せって言ってんの。…返事!」
『あっ…はい!!!』
あたしが姿勢正しく返事をすると月島さんはまた大きなため息をついたが、急にあたしから手を離して荷物を持って立ち上がった。
「じゃあ僕仕事だから行く。」
『あっ…頑張ってください…////』
そういってあたしは月島さんを見送った。
後姿はやっぱりかっこいい。ずっと言わなかったけど、この人変装とかしないのかな?周りにいた女の子たちがざわざわしてた。これが金の王子なんだ・・・
って思ったのの半面、実は月島さんは優しいんだとこの時初めて実感しました。
ピピピピ・・・
『うぇ!?』
急になったのはあたしのスマホ。ショーパンの後ろポケットに入れていたからお尻に振動が伝わった。
スマホの画面には、【黒尾さん】の文字
なんとタイムリーな・・・
『は、はい?』
「あぁ俺。夜琉今日の夜空いてるか?」
『はい、空いてます』
「…なら、6時に俺んち来い。来なきゃ殺す」ブチッ
とだけ言って一方的に切られた。
どいつもこいつも、物騒な人達だ・・・
まぁ、そのタイミングで話すと心に決めていたのは間違いなかった
*****
プルルルルルル…ガチャッ
…あぁ、僕だけど。…うん、でも昨日の話はちょっと変更で。
…だって、全部言ってくれたんだもん。僕が聞く前に吐いてくれたからね。だから1本はなし。1切れくらいなら許してあげる
…うん、じゃあまたよろしく
・・・。
ピピピピ…
…はい?
えぇ、今から行きますけど…
はい?話がある?…夜琉のことで…
・・・ニヤ
…いいですよ、すぐ行きます