第33章 大王様と穢れ
「嫌だってお前・・・」
『お願いします…彼に、黒尾さんには…言わないでください…お願い…、します…うっ…ぅうう、うぁ、うわぁああ!!!』
俺の腕を掴んだまま彼女はベンチの上にうずくまって声が裂けてしまうのではないかというくらいの号泣を始めた。
風俗嬢と言っても、こいつはまだ高校生
ゴム=完全な避妊って感覚が定着しているのだろう。そのたった数ミリの境界を守っていたのにそれが急になくなりナカに子供をつくるための種を流し込まれた恐怖なんて、俺には分からないけどきっと壮絶なんだと思った。
「…立てるか?」
『うっ…ぅぐ、うぅ…』
嗚咽を繰り返しつつ小さくうなずいたのを確認した俺は着ていた半そでのパーカーを夜琉の肩にかけて支えながら立つ
足元がおぼつかないし、足を伝って流れる精液を極力見ないようにしながら公園を出る。
「おい、金田一。お前今どこだ?・・・店?じゃあ、□□公園に今すぐ迎えに来い。いいな」
それだけ伝えて俺はこいつと公園入口で金田一を待った
すると急にクンッと重くなった夜琉の身体
どうやら眠ってしまったようだ。涙のせいで顔はぐしゃぐしゃで浴衣もボロボロなまま
「・・・。」
俺はこいつが寝たことを確認して俺は電話を掛けた。
もちろんこいつの恋人じゃない
「…俺、うん…明日中央病院の産婦人科に行かせるから…あぁ、そこで聞けばいいだろ?…うん、きっと及川さんに何か言われたと思うから……あぁ、じゃあ報酬は研磨さんの店の塩キャラメルのロールケーキ1本でいいよ。…当然だろ?…じゃあよろしくな」
短い会話を済ませたら、金田一がG〇-Rに乗ってようやく来た
「遅い…」
「これでも法定速度ギリギリで…って!?夜琉ちゃんどしたの!?」