第31章 黒猫の説教と極悪妖怪
「・・・ッ!!」
天童はそう告げた瞬間、天童は自身のお気に入りのダガーナイフを胸ポケットから取り出してまっすぐ川西に向かってくる。
川西は一瞬戸惑ったが、同じく胸ポケットにしまっていた拳銃を取り出し天童に向けた。
―――――ダメだよ太一…、接近してくる相手に拳銃向けたら…
「ほら…懐ガラ空き♡」
川西の懐にすばやく入り込んだ天童は、川西の急所を外してダガーナイフを深く突き刺した。
普段は無表情な彼だが、この時ばかりは顔を歪めて持っていた拳銃を落とした。
「ヒャハァー!!…太一の血ぃ~…初めて見たけど美しいねェ~…」
川西を刺したダガーナイフを天高く掲げて滴り落ちる血液を眺めていた。
川西は刺された脇腹を抑えつつ、落とした拳銃に手を懸けようとした。でも、こっちに興味ないような素振りをしていた天童がギョロッと川西を見下ろして拳銃を取ろうとした手を掴んだ。
「はいダメダヨ~太一ぃ~…。」
手を掴んだ天童はそのまま彼を引き寄せて彼を埃が積もった地面に倒した。
「ねぇ…太一、俺は別に部下だったお前を傷つけたいなんて思ってないんだよ?ただ…俺の邪魔をするのだけは許さないよ?」
手を押さえつけられて身体に乗られている川西は何とか抵抗し身体を起こそうとした。でも、天童はさらに非道な行動に出た
「…ねぇ、太一…コレ、何かわかる?」
次に取り出したのは、川西も見覚えのある・・・いや、分からないはずのないものだった。