第30章 白鷲の交渉
「お前が牛島さんと結婚すれば全部解決するんだよ。お前が今何をしようとしてるのなんて知らないが白鳥沢に来ればすべて解決する。及川に殺されることもなくなるんだ」
『それは、そうかもしれないですけど…。』
「お前に拒否権はないんだ。今日はその交渉をするために来た。」
白布さんの圧に圧倒されるけど、何とかあたしも反論する。
『でも、あたしは…及川さんのことを何とかしたいんです!!』
「あの男は、マフィアの間でも名が挙がるような男だ。うちも風俗は経営しているが、青城は別格だ。その頂点の男をお前みたいな小娘がどうこうできる訳ないだろ」
『するんです!!』
「どうやって?」
『そ…それは…、それが分からないからここに来たんです』
「岩泉か…確か及川の元部下にやられたんだったな」
どこでその情報を得たのかは分からなけど、そのことは白鳥沢にも届いていた。岩泉さんの名を聞くとちょっと心臓が痛くなった。
「はぁ…話にならないな。宛もなくただやりたいとごねるなんて、やはり牛島さんが求めていると言ってもただの女子高生だな。」
『…ッ』
腹立つけど何も言い返せない。
ため息をつく白布さんは、自身のスマホを確認しながらまた話を続けた。
「まぁ及川をどうこうはしないが、白鳥沢に来ればお前は少なからず守られる。それに白鳥沢も」
『…。』
「なんだ、急に大人しくなったな」
『…あの、白鳥沢って何なんですか?』
「・・・。」
白鳥沢に行く気は更々ない。あたしはただ及川さんのことを何とかしたいってだけだから。
それに、白鳥沢にのことは何も知らない。何をしているのかどういう組織なのか…誰がつくって今までどんなことをしてきたのか・・・
それを少し聞いてみたくなった