第29章 大事な人
『でもさ…金田一さんバラしすぎじゃない…華夜も結構グイグイ聞いたの?』
「まぁね、昨日も夜大丈夫って連絡してもらったりしたからね」
『そっか…あれ?あんた昨日の今日で金田一さんと連絡取り合ってんの?』
「えっ…いや、それ…は/////」
その質問は愚問だったみたい。華夜は顔を真っ赤にして目を逸らした。イケメン好きでミーハーな彼女だが、実際は恋をしたことのない処女ちゃん。
そりゃあんな事件があってそれを結構な色男様に助けられちゃったらそりゃ惚れるわ。しかも相手は金田一さん。無自覚で優しくするから余計に質が悪い
『…金田一さん優しいからね』
「えっ夜琉、金田一さんとヤったの!?」
『やってないよ!!!働くうえでいろいろよくしてもらったから!!!』
ヤったら絶交だからね!!と、涙目であたしを殴るふりをする華夜を見ながら今度はあたしが微笑み返した。
「それで、この後どうするの?」
JKの恋バナに花が咲き始めたときあたし達は本題を戻した。これからどうするの?と心配している華夜をよそにあたしはすっかり食べ終わったサンドイッチのセットを片付けながら答えた。
『今会いたい人がいるの。及川さんと関りが深い人…』「岩泉さん」
言葉を並べていたら華夜は言葉を被るように発言した。でもその答えも正解だった。
ホントに金田一さんどんだけ教えたの・・・