第28章 黒猫と初恋
『えっ…』
「最初お前が及川と店に来た時、ただの美人だと思ったけどそれが俺が探してたガキだって知った時心底驚いたし、心底…嬉しかった。」
黒尾さんは、顔を赤くして言葉を続ける
鼻先はいつの間にか離れてたけど、跨ってあたしを見下ろす姿勢は変わらない。
「奇跡だとも思った・・・でもそれ以上に、お前に惚れちまったんだ。あんなこと言うガキが、こんなにきれいな女になって…今度は、守りたいって思ったんだ。俺を生かしてくれたお前を、今度は俺が…ってな」
『黒尾さん…』
「夜琉、俺はお前が好きだ。お前を守りたい。そばにいたい…だから」
『黒尾さん!!!』
あたしは、そんな黒尾さんの言葉を止めていた。
頭がパニックだったからだ。
あたしは、好きって感覚が分からない。黒尾さんに生きてほしいって思って1番大事な人って思ったのは間違いない。でも、それが恋なのかは・・・
『黒尾さん…、あたしは…黒尾さんのこと…』
「嫌いか?」
『いや、嫌いじゃないです…でも、よくわからなくて…』
「じゃあ…分からせてやるよ」
跨っていた黒尾さんが今度はあたしにのしかかってきて今度はキスをしてきた。さっきのような優しいキスじゃなくて、口の中をかき回すような激しいの
『んぅ…んんっ!!ぁ…ッ!!』
キス自体が1週間ぶりくらいだったから感覚がおかしくなっていた。舌を舐められて上唇を吸われたら変な声が出てしまう
『黒尾…ひゃ…ッ。』
「はぁ…今日は紫乃になるなよ。天川夜琉として…抱かせてくれ」
そうだ…前した時は、お店モードの紫乃だったから緊張も何もなかったけど・・・
シラフでセックスするのは、初めてだったからなぜか緊張していた
『…や、…優しくしないと…怒る』
「…ふっ、それでこそ天川夜琉だな」
笑った黒尾さんが瞬時に獣に変わったのは言うまでもない