第26章 黒猫の戦う意味
「はぁ・・・はぁ・・・」
繁華街から離れた裏道。そこで俺は因縁を吹っかけてきた男達を全員撃ち殺した。すごく快感だったが・・・それ以上に・・・
「お前、今うれしいだろ?」
木兎だ。俺の後ろで見ていた木兎が俺に話しかけた。
・・・うれしい?今の感情はまさにそれだ。木兎に殺しを許された時うれしいと同時に生まれた感情は・・・
「俺を守れてうれしいだろ?」
そう・・・こいつを守るのは、俺だ・・・という感情
そんな感情初めてだった。いままではただ純粋に人を殺したいという感情だけだったが、こいつと一緒にいてこいつのために人を殺していると・・・
「やっぱり、俺の思った通りお前は優しいやつだ!!」
俺の肩をバンと叩いてそう言った。
ワハハと笑っているそいつの目は・・・やっぱり金色に輝いていた
「…優しいなんて、初めて言われたぞ?」
「絶対そうだって思った!!誰かのためにお前は命かけれるような奴だって最初に見た時から思った。こいつなら俺と友達になってくれるし俺のために戦ってくれるって」
ニッと笑った目に背中がゾクリと寒気が走った。木兎の金色の目が俺を捕らえていた。
「黒尾、お前は俺の最強のボディガードだ。俺の…サイコーの友達だ!!これからもよろしくな!!!」
俺を捕らえた目が細くなって口元が弧の形になった。こいつの笑顔はホントに裏表がない・・・
その時、俺は初めて誰かのために殺しをする喜びを知った。こいつのために殺しはすると・・・こいつのために生きると、心に決めた