第4章 デビュー
「俺からは・・・」
と、急に立ち上がってきた岩泉さんはあたしの背後に回り込んであたしのポニーテールを掻き揚げて首元に何かをつけた
『わぁ…きれいなネックレス』
「スターサファイアって知ってるか?」
『スターサファイア?』
「石の意味は、〈明るい関係を築く〉や〈困難を突破する〉って意味があるんだ。この仕事を嫌なものと思わずお前らしくやってほしいと思って選んだ。あとそこのクソ川がアクセサリーなら絶対サファイアにしてってうっせえから」
及川さんを睨みながらそうやっていうけど、すっごい照れてる
顔真っ赤だし、さっきの金田一さんにダメ出ししてたのに・・・
「アハハ、岩ちゃん真っ赤~♡許してあげてね夜琉ちゃん。岩ちゃんコレに決めるのに2時間かかったから」
「言うんじゃねえ!!クソ川!!!」
という岩泉さんの怒声と共に及川さんに蹴りが飛んだ
それを金田一さんが止めに入っていた
そっか・・・あたし、嫌々だったけど実際は働かせてもらってるわけだしね・・・
それなのに、こんな高い服に靴にアクセまで・・・
・・・いったいあたしにいくらかかってんだろ・・・
『・・・す』
「ん?どうしたの?」
『あっ…ありがとうございます…が…頑張ります』
あんまりこういうこと言うの得意じゃないけど、今は言わなきゃいけないと思った
こんなに高い服や靴やアクセまでもらって・・・
・・・ってかこの服とか、あとで請求されたりしないよね・・・。