第22章 蛇に睨まれた
『・・・ッ!!!』
どこかで聞きなれた声・・・特に、あたしが初めから好感がよかった人の・・・
『・・・き・・・、金田一・・・さん?』
「どうしたの?大丈夫・・・?」
そこにいたのは、金田一勇太郎さん。
いつの間にかあたしは、無意識に〈ロイヤルサファイヤ〉の前に来てしまっていた
青城の人だけどこの人は大丈夫だと・・・分かっているけど・・・
『…ッ!!』
あたしは思わず華夜を抱えて後ずさってしまう
金田一さんも当然分かっていると思う。及川さんが、あたしを殺そうとしていることも・・・国見さんに殺されそうになっていることも・・・
・・・でも
『金田一さん・・・お願いします・・・華夜を・・・この子だけでも、助けてください!!!』
必死だった。もう誰でもいい・・・なんでもいい
あたしは殺されてもいい・・・
この子だけは・・・助けたい
それだけだった
「落ち着いて、夜琉ちゃん。君だってケガを…」
『あたしはいいんです!!この子のケガを手当てして…、家に帰してあげてください…あたしは…あとで、皆さんのいうこと聞きますから…殺されても…いいですから…』
「…ッ!!…夜琉ちゃん」
『まぁ…その前に、あたしがあの人達に殺されなければですけど…』
あたしは、自分のカバンをもって華夜を金田一さんに預けて天童さんたちが来そうな方を見た
姿はないけど、そっちから嫌な気配がする・・・
『…じゃあ、お願いします』
「うっ…夜琉……」
『…華夜、今まで友達でいてくれて…ありがとう…』
それだけ小さく言ってあたしは、走りだそうとした
「夜琉ちゃん!!!」
そしたら、金田一さんに止められた
『・・・?』
「…勘違いしないで、俺達は君を殺すつもりはないから…この子も、君も助けるから!!!」
それだけ言って、金田一さんはロイヤルサファイヤに入って行った。
あたしはそれを見送って、また走りだした
華夜からできるだけ離れるように・・・