第22章 蛇に睨まれた
黒尾さんと喧嘩をして一週間・・・
今日は学校の終業式
明日から夏休みに入る
でもあたしはこの一週間ずっとぽけぇ~としてたような気がする
授業とかも聞いてた記憶ないし、この一週間何してたのかも覚えてないくらいだ
・・・やっぱりまだ気にしてるのかな、黒尾さんのこと
及川さんとはまた違う何かを隠している気がする
しかも・・・、あたしと関係あるような・・・
あれからなんだかあたしの記憶の中に穴が開いているような感じがしてきた
どこかの記憶がなくなってしまっているような・・・
『はぁ…』
「はい、本日19回目!!!」
『えっ…何?!』
「今日に入ってため息した数。今週の最高記録更新だよ?」
いつの間にか終業式も終わってHRが始まる直前だった。先生はまだ来ていないから教室中の生徒は各々雑談を楽しんでいた
「どーしたよ夜琉、失恋でもした?」
『恋すらしてませんよ…』
「…。ねぇ、今日午後から暇?」
『えっ…暇だけど』
もうあそこの仕事やめたからやることないし・・・
「じゃあさ、今日遊びに行かない?最近新しいパンケーキのお店見つけたんだ~。付き合ってよ」
『えっ…』
「…夜琉、ここ最近楽しそうだったのに元気なくなってるみたいだったよ。…土日になんかあった?」
この子・・・華夜は普段はアイドル大好きでミーハーなのにこういうところはすごく目ざとい。
あたしが何かあるたびに声をかけてきた
今回のこともずっと聞こうか聞かないかで迷ってたらしいがもう限界だったみたい・・・
「もうあんた暗すぎ!!こっちの身にもなってよね!!」
『あっ…うん…』
「よし!!じゃあ行くぞ!!パンケーキ~♡」
華夜はとっても元気だった
でもそんな華夜の姿を見てなんだか元気になってしまうのもなんだかくすぐったかった