第21章 蛇と妖怪と王様と
「ふんふ~ん♪」
グチュ・・・グシャ・・・
花街から少し離れたところにある廃墟から聞こえる鼻歌
それとは無縁な耳に残る嫌な音・・・
「ぁ・・・ぅあ・・・」
「う~ん、やっぱり解剖したての心臓は美しいデスね~」
男の引き裂かれた胸部から取り出された心臓を掲げて愛おしい目で見つめる赤髪の男・・・天童覚
彼はいわゆるサイコキラーと呼ばれていて、普段は牛島の下で白鳥沢における邪魔者や任務失敗者における罰を行っているが今はそのストッパーがいないためそこらで出会った見ず知らずの男を捕らえて思うままに甚振っていた
「この体外に出ても生きようと必死にもがく心臓の脈打つ姿・・・溜まりませんね~」
「いつまでやってんだ…」
「あぁん?…あぁヘビ君~。遅かったね」
「あぁ…、失敗した傘下の奴の末路を見てきただけだ。やっぱり秋宮がいない扇南はモロ過ぎた。」
「確かにね~、あれだけで怒んなくていいのに~」
「アレはお前が悪いんだろ?」
後ろにいる目つきのヘビのような男と会話を交わしながらなおも男の身体にナイフを入れていく
次はどこをバッキバキにしようかな~と、おもちゃを与えられたような子供のような目で今度は頭部を割いて行く