第19章 動き出す
「あらよっと!」
「クッソ!!覚えてやがれ!!マル暴!!」
「白鳥沢め!!ふざけたマネしやがって!!!ぶっ殺してやる!!」
「はいはーい、負け犬の戯言は署で聞くからな~。バイバ~イ」
廃倉庫で起こった乱闘・・・と言っても法の下では合意のモノだった
先に来ていたマル暴の青年が倉庫にいた男たちを取り押さえていた。
「はぁー、ホントスカッとするな~この仕事。殴る蹴るが許されてるなんて…おっ、タバコ見っけ。1本拝借しま~す」
と、青年は落ちていた煙草を拾おうとしたらそれを誰か別の男が青年の腕を掴んで止めた
止めたのは、青年よりも巨漢で眉毛のない大男だった
「…分ぁってるよ、何が入ってるか分かんねえしな。ってか、今来たんすか?鎌先さん」
「お前が勝手に来たんだろうが!!何単身でバイクで現場に来てんだ!!二口!!」
「いや~、なんか身体が勝手に…」
「勝手にじゃねえよ…それより、やっぱり首謀は十和田か?」
「みたいっすね~。さっき俺がボコしたの、先日自首してきた元井闥山傘下の組の扇南を率いていた秋宮昇の部下でしたし。」
「やはりか…井闥山の脅威は2年前、首謀の佐久早の逮捕によって収まったと思ってたのにな…」
「でも俺的には、そういうアホな暴走族とかをヤれるなら何でもいいっすけどね」
二口と呼ばれた青年は、着ていたジャケットの胸ポケットから持参していた棒付きキャンディを口に入れた
こう見えて彼はタバコが嫌いらしい