第15章 地獄と天国
花街のような光の場所には、必ず闇がある
女に騙されて無一文になった男、男に貢いであっさり捨てられた女・・・
そして、意味もなくつくられて邪魔になると捨てられた子供たち・・・
そんな奴らが渦巻いている・・・スラムという場所
俺も、そこにいた
5才で父親が蒸発して、母親が花街で働き始めた。そしてそこで知り合った男と子供ができて、俺は「あんなクソ男の子供なんていらない」って言われて捨てられた
俺は、1人で殺し以外のことはすべてやった
金持ちそうなフラフラしてるおっさんを狙って金を掏ったり盗んだりしていた
俺は比較的スラムの子供の中では結構年が上だったから盗んだ金で子供らに飯を分けたりしていた
でも、スラムは子供だけじゃなかった
当然バカみたいな大人もいる
子供相手でも平気で金目の物を取ったりしたり・・・
でも俺は、昔からヒーローものが好きでよくマネしてたせいか腕っぷしはよかった方だった
だから、子供たちを守っていたら、いつの間にか俺はスラムの子供らのボスになっていた
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「ブハッ!!ボスって…ボスザルの間違いじゃねえの!?」
『黒尾さん黙っててください!!…岩泉さんが怖いですから!!』
「…悪い」
「…黙って聞いてろ」