第12章 黒猫の遊戯
「おい、何余計なこと考えてやがる…こっちに集中してろ…」
『だっ…だってぇ…黒ぉ…さ…あぁんッ!』
「ん…俺が…なんだ?」
『は…あ、なんか嬉しそうです…』
握られている黒尾さんの右手にすり寄りながら聞いてみた
今まであまり会って話すことはなかったけど、この顔は喜んでいるのは分かる
「…さぁな、お前のナカが良すぎるからだな」
『へぇ…じゃあもっとどーぞ?…あたし、まだ全然いけますから…』
「そうか…悪いな、俺も余裕ねえわ…」
『へっ、んぁああ!?』
喜びの笑顔は突然餌を求める獣の顔になった
黒尾さんはあたしの下半身を高く上げて押しつぶすように腰を当ててくる
『あぅ…んぁッ!…くろ…さっ、やだ…』
「うっ…夜琉、夜琉…ッ!!」
『黒尾さッ…あっ…ッぅ…んん…』
いつの間にか手を握っていた黒尾さんの手を離してあたしは黒尾さんの肩に手を回す
そうすると、黒尾さんもまたあたしの身体を全身で包む
耳元に響いてくる黒尾さんの息遣いはとても荒かった
『んぁ!!くろぉさぁ…ひゃ、あぁ!!や、あぁあ!!』
「ッはぁ、夜琉ッ!!…やっべ、俺…もぉ…」
『あ゛ぁ!!くろ…さ、あっ…もぉッ…イッ、イクぅ…!!』
「ふ…ッ…はぁ…じゃあ、イこうぜ…一緒にッ!!」
『ひあ!!くろ…さ…ぎゅって…し、てくださいッ…!!』
「……あぁ…、いくらでもしてやるよ…夜琉」
腰の動きは止まる気配がない
あたしも黒尾さんが抜こうとするたびにダメと言ってるように腰が動いてしまう
やがて、身体の芯から何かが突き上げてくるのが分かった
黒尾さんも声がどんどん張りつめていく
『ひぅ、あ゛あぁ!!やぁあああ―――!!!』
「…夜琉ッ―———!!!」
お互いの顔は見えない
でも、きっと2人共すごくとろけた顔をしているだろう
少なくともあたしは、目が開かなかった
もう全身に力が入らないくらいに快楽の波にのまれてしまったのだ
「はぁ…夜琉…?」
『……ッ、………ぁ!!』
黒尾さんの声は聞こえる
でも声が出ない、息を吐くのに精いっぱいだった
・・・あっ、黒尾さんの手・・・
あった・・・か・・・ぃ