第21章 お礼をさせて
家に帰って、落ち着いてから、日代君にお礼についての話をしようと思い、通話アプリを立ち上げた
゛お礼についてなんだけど、親たちが日代君とまた会いたいって言ってるから、またうちに遊びに来てくれないかな。お礼にしてはなんか変な感じだけど…゛
メッセージを送るとき、書いては消しを繰り返し、無性に緊張したがなんとか送ることができた
しばらくして既読がつき、メッセージが届いたことを知らせるメロディが鳴る
゛別に構わねぇけど…。宮原はそれでもいいのか?゛
゛私は構わないよ。お父さんが前から日代君はは遊びに来ないのかってずっと聞いてきてたから、いつかお願いしようと思ってたところだし゛
もう、お父さんの質問はしつこいぐらいだった
きっとバイクについて語れる相手ができたと嬉しかったのだろう
゛んじゃわかった。お互い都合のいい日教え合おう。゛
そうやって二人で日代君が遊びに来てくれる日について話していたら、だいぶん遅い時間になっていた
゛ごめん、そろそろ落ちていいかな。゛
眠気と闘いながらそう送ると、
゛わかった。お休み゛
その一文と、日代君らしからぬ可愛らしいスタンプが送られてきて、思わずクスッと笑ってしまう
゛お休みなさい゛
そう送ったとき、胸の奥がくすぐったくなるような感覚になった
幸せだな。
私はスマホの画面を見つめながら、次第に降りてくる瞼を完全に閉じる
日代君のこと、すごく好きだ…。
告白ねぇ。
藍那たちに言われたことを思い返す。
やってみようかな。
そこまで考えたとき、完全に寝てしまった