第17章 俺に教えて
「とりあえず苦手な教科は何?」
「英語だな」
「わかった、じゃあ英語から始めよう」
日代君のワークとテキストを見せてもらう
やはり学校によって選ぶ教材が違うから、見ていて面白い
「英語でもどこが特にわからない?」
「完了形のとこだな。過去完了とか現在完了とかいつなにがどうなってんだよ!って突っ込みたくなるな」
たしかに。もうちょっとわかりやすくしてほしい、とは思うけど、外国人からしたら日本語もおんなじようなものなんだろうと最近では割りきることにした
日代君はどうやら先に勉強していたようで、わからないところに印をつけていたから、ありがたい
日代君も集中力があるので、いいテンポで勉強は進んだ。
「ちょっと休憩しよう。日代君もすごい集中してたし、疲れてるよ。」
「そうだな…。10分寝させてもらえねぇか?ちょっと眠てぇ」
そう言われれば、日代君の目の下には隈が。きっと昨日も夜遅くまで勉強してたんだろうな
「うん、じゃあ10分たったら起こすから、おやすみ。」
日代君はそう返事したのを聞いてすぐに、机に突っ伏して寝てしまった。
よっぽど疲れてたんだな…
日代君に何か飲みもの買おうかな。眠いんだったらコーヒーがいいかな。
前にカラオケで飲んでいたし、コーヒー飲める人だったもんね。
私は音をたてないようにそっと立ちあがり、自販機へと向かった。
私は気づいていなかった。私の姿を誰かが見ていたことに…。