第16章 知られたくない
日代君side
俺には知られたくねぇことがたくさんある。人は誰だってそんなことがあるだろう。
この赤い髪で、周囲の目が気になることもある。
赤い髪でいようと決めたのは俺なのに、なさけねぇ男だと思ったこともある。
数えようと思えばきりがねぇ。
俺は過去のことを、他の人に知られないようにひたすら隠してきた
red crashのやつらでも、辞めた理由は知っているが入った理由は全くしらねぇ
どちらにしろ、あんまり知られたくねぇことだ。
でも…。嫌われたくねぇってことは、好かれてぇってことだよな…。
いいやつとして見られてぇってことだ
一時期は人にどう思われてもいいと思っていた。
…。俺も変われたんだろうか。
だとしたら。
それはあいつのおかげだ。
守りてぇやつが増えた。
嫌われたくない。
俺をいいやつとして見られたい。
どれもこれも、面倒くさいことだが、不思議なことに、嫌な気はしねぇ。
でもいつか、宮原にも本当のことが言えるといいのに。
俺の弱虫な心が、いつか強くなったら。
そのときまで待ってくれるとうれしい。
宮原は軽蔑しないだろう。それはわかっている。
ただ言いにくいだけ。
俺は宮原を信頼している。
女でそんなやつができるなんて思ってもみなかった。
すげえ、うれしい。
このことはちゃんと宮原に伝わっていてほしいな
俺は。この前二人で見た映画のチケットの半券を見つめた