第14章 この気持ちの正体
祐希side
「日代ー。」
「何だ」
「宮原さんとのデートどうだったんだ?」
日代は飲んでいたカフェオレがむせたらしい。急に咳き込み始める
体育やら移動授業が多かった今日、やっと昼休みになってその話を振ることができた
「デートじゃねぇよ。俺らは恋人じゃねぇ。友達だ」
そんな恋人やら友達やらで線引きしていたら、むしろ意識しているようにしか見えないんだけどな
そんなことを言っても彼が動揺するだけなので言わないでおこう
「んじゃ言い方かえる。宮原さんと遊んできて楽しかったか?」
「そりゃなぁ、妹の誕生日プレゼントのときは助けてもらったし、映画がも一緒に観て楽しかったし、話も弾んだ。すげえ楽しかったよ」
「へぇ」
思ったより速く仲良くなっていて驚いた
「それでやっぱり、宮原さんって妹みたい?」
「そうだな。かわいいところもあるし、頼りになるし、世話やきたいし。ドジなところあると思ったら、すげえしっかりしてるところもあるし。妹みたいってのはちょっと違う気がしてきたな」
妹のような存在ではなくなったのか。恋愛としては一歩前進だな。
まぁ、くっつけようと俺や由梨花、あとは藍那ちゃんが企んでるだけだけど
「それにしても、なんだろうな。あいつとあっていると、何かわかんねぇけど暖かい気持ちになれるな。何か…――――に似てる気がして懐かしい。もしかすると妹じゃなくて――――みたいに思ってるかもな。」
「…。」
その事はどういうコメントをしていいのかわからない。
「つまり、心の拠り所になって安心するってことか?」
「んー、まぁ、そういうことだと思うな」
けっこう俺にとって救われたような気がすることも言ってくれたな、と寂しそうな顔をして呟く日代。
まだあいつに残っている傷はそうとう深いんだな…
俺は暗くなった空気をかえるべく、話題をそこから少しずつずらしていった