第13章 お出かけ
化粧を直して日代君のもとへと戻る
「お、もう大丈夫だな」
恥ずかしすぎておもわず真っ赤になってしまう。
顔があつい。
私達は並んで歩き出す
「日代君には全くカッコいいところ見せれないなぁー…。なんか失敗ばっかりしてる」
日代君と出会ってからずっと思っていたことを口にする
「そんなことねぇよ。俺は宮原に元気もらってることもたくさんあるぞ。」
「えっ」
おもわず日代君の顔を見て立ち止まる
「なんだよ」
「私日代君になんかしたっけ」
「してくれたよ。お前が気づいてないだけでな」
そうなんだろうか。料理もできて、世話好きで、喧嘩も強くて、頼りになる人。そんな完璧な人を力づけたりできているのかな
「よくわかんないや。」
「それでいいと思う。人にいいことをするのは、意識してするもんじゃねぇだろ。」
「うん、そうだね。」
「それにな、俺みてぇなやつにこんなに気軽に話しかけてくる女なんてお前ぐらいだぞ」
「それは…!日代君がいい人だってわかったから…!」
「男でも誰でも俺の見た目にびびって近寄ってこねぇやつは、数えきれねぇほどいる。ちょっと話しても、ずっとびくびくしてるやつもいる。お前は俺にとっては初めての女友達だな」
「ええっ⁉」
そうなんだ!?でも、彼がずっと不良だったわけではないよね?
「小学校の時とかは?」
「ん?」
「その頃は暴走族とか入ってなかったでしょ?」
その時、彼が少しの間黙りこんだ。
何だか触れてはいけなかったことがあったのかもしれない
「入ってはねぇけど、特にたいしたダチもいなかったな。祐希くれぇだ」
その後、日代君が話題をそらしてしまった
何があったんだろう。
彼をもっと知りたい。教えてほしい。
なぜだかそんな思いが溢れてきた