第12章 それぞれの印象
次の日、私は学校に行って昨日のことを話した
「で、日代君のこと、前はだいぶ恐がってたよね。今はどうなの?」
「んっとね…。優しくて、友達思いな人なんだなって思えた。あと女子力高い」
私は由梨花の質問に正直に答える
「女子力高いってどういうこと?」
藍那は爪を磨きながら話に参加。そんなの家でやれよと少し思ってしまったが、黙っておこう
「絆創膏持ってたり、世話やきだったり…」
「それ、どっちかというと、オカンなんじゃないの?」
「うーん、そうかも」
日代君なら主夫むいてそう
「そういえば日代君と連絡取れた?」
昨日由梨花に教えてもらったメアドは、あっていて、あのあとちゃんと送れた
「うん、ちゃんと登録もしてもらえたよ」
それにしても、昨日たった1通送るだけだったのに、ものすごく緊張した。
何度も文を考えて、書いては消しを繰り返し、そのあと結構な気合いをこめて送った
そのわりには男の子らしいシンプルな返事が返ってきて、少し気が抜けてしまった
「なに、にやけてんのよ。心春」
唐突に藍那が私の視界に現れた
驚いて少し身を引いたが、私は気をとりなおす
「えっとね、お礼をしたいって言ったら、日代君も昨日の詫びがしたいって返してきて。しばらく遠慮の応酬みたいになったんだけどね、二人で出掛けることになった。」
「えっ、それはデートってこと?」
「違う違う。私達友達だし。妹さんの誕生日プレゼント探すことになって、後で私の観たかった映画観に行くことになったの。初めて私が日代君の役にたてそうだし、楽しみにしていたものが観れるから嬉しくて…」
「それは、まぁ…。仲のいいことで」
藍那になぜかため息をつかれる
「そういえばね、日代君のことで面白いことを聞いたよ。」
由梨花が目をキラキラと輝かせながら言う
「何?」
「あんまり大声で言っちゃダメだと思うからこっちに寄って。」
私と藍那はこれでもか、というくらい由梨花にくっつく
「実は日代君は…。―――――なんだって」
「「えええっ⁉」」
由梨花の囁いた言葉に私たちは衝撃を受けた