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私達は偽者シンデレラ

第12章 それぞれの印象


日代君side


やっと家に帰り、リビングに入ると、もう親父が帰ってきていて、妹と共に夕飯のカレーを食べていた


「親父。今日は早かったんだな」


「ああ、今日は早番だったんだ。にしてもお前、久しぶりに喧嘩でもしたのか」


親父は驚いた顔をしている


「ダチが俺が原因で拉致られたのを、奪い返しに行った」


「ほぉ…。それは女か。」


何もかも見透かしたように笑う親父に俺は少しおののいた。千里眼でも持っているのだろうか


「確かに女だけど、ただのダチだ」


「お兄ちゃんに女の子の友達って珍しいね」


妹は口にカレーを入れたまま、くぐもった声で話す


「こら、全部食っちまってからしゃべれよ。行儀悪いぞ。」


ついでに口もとについていたカレーを近くにあったテイッシュで拭き取ってやる


「ごめんなさい」


まだ小3なのでしっかりしたところも増えてきたが、幼い部分があちこちでかいまみえる


「そのお姉さん、どんな人なの?」


どう表せばいいのだろう。何か似ている人に出会ったことがある気がする


「そうだな…。お前に似てるな。まぁ、お前ほどガキじゃねぇけど」


「え⁉」


妹はかなり困惑しているようだった


それはそうだろう、小学生に似ている高校生とはどんな人なのか想像もつかないはずだ


俺は着替えるためにそれだけ言い残して、自分の部屋へと向かった



着替え終わってからふとケータイを見ると祐希からたくさんのメールや着信履歴が


そうだったあいつは俺が喧嘩しに行くのを見てたんだった


慌てて掛けなおすとワンコールでつながる


「大丈夫だったか!!」


「ああ、心配すんな。遅くなって悪かった宮原を家まで送ってたからな。」


「よ、よかったー」


祐希の脱力した喋りかたによってどれくらいホッとしたのかが伝わってきた


「心配しすぎだ、てめぇは。俺を誰だと思ってるんだ」


「例えお前が神様だったとしても、俺は心配するさ。だって友達だろ」


何だか一方的にこの男を心配させたので、申し訳なく思えてくる


「そうだ、宮原と友達になった。」


「ええっ⁉昨日から友達じゃないのか⁉」


「そういうものか?」


「そういうもんだよ!」

祐希にすぐさまつっこまれる。あー、もう。二人とも不器用なんだな!と祐希が叫んでいた



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