• テキストサイズ

私達は偽者シンデレラ

第9章 目が覚めて


目を覚ますと見覚えのないところだった


「あ、起きたぞ。」


さっきの二人組とは違う銀髪の人が私を見て言った


その声を聞いて金髪のさっきの男子が私に近寄ってくる


「おはよう。目覚めはどうだった?」


爽やかな挨拶をされて、カチンとくる


「あのねぇ、最悪よあんたらのせいで」


ご丁寧にロープで腕や手は縛られて、自由に動くのは不可能だ


それに連れ去られるときに殴られた部分はまだ痛い


「言っておくが、ここから逃げるなんてこと、不可能だからあきらめな。もし助けを呼ぼうと大声出したら…」


銀髪が私の近くへとさらに近付くその手にはナイフがあった


「お前のその喉元掻ききってやる」


首にナイフを当てながら私の耳元で囁く


一気に鳥肌がたった


「わかった。私はどうすればいいの?」


「お前はただ、ここに座っておけばいい。だって日代をおびきだす餌だからね。だから日代が速く俺たちの所にたどり着けるように、あんな目立つ所であんたを拉致ったし、あんたを騒がせたんだ」


金髪がにこやかに言う


まさか、そんな思惑があったとは


「でも、日代君が、絶対来るなんてわからないでしょう?」


「いや、俺が電話したら超キレてたから、絶対あいつは来る」


金髪の男がニヤニヤ笑う


「あ、そうそう。俺は向坂って言うんだ。よろしく」


金髪…いや、向坂の言葉をスルーする。


こんなやつによろしくされたくない。


「もし、日代君が来なかったらどうするの。」



「それはもちろん」

向坂が、今までで最高の笑顔を見せた


「俺たちをこころゆくまで君に慰めてもらうから」


どちらにしろ日代君が来てくれなかったら、私の身に危険が迫る、ということか


私は悔しくなって、向坂を睨み付けた


/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp