• テキストサイズ

私達は偽者シンデレラ

第38章 誰のせいか


「いいねぇ、可愛い女の子なんて見るの久しぶりだわ。あたしの周りはヤローばっかりだからねぇ。あたしは林夏実。これでも一応看護師だ。と言っても来年なる予定ってのが正解なんだけど。」


にやっと笑う夏実さんはどことなく林さんと似ている。


「こんないかついやつが看護師とか世も末だな。」



「お前はちょっと黙れや。誰にケガの手当てしてもらってると思ってんの。」


夏実さんは林さんの頭を軽く小突く。



「痛いなぁ。暴力反対!」


「元族がよく言うわ。」


林さんと夏実さんはポンポン言葉を投げかけては返す、そうテニスとかのラリーに似ているかもしれない。


でもそのやりとりは何だかどことなく暖かくて。


私も弟とは無意識にこんな風にしているのかな、なんてぼんやりと考える。



「あ、姉さんがうるさいから忘れるところだった。早く家に行こう。」


林さんは日代君のバイクが置いてある方へと歩き出す。



「心春ちゃんは姉さんの後ろに二人乗りでもいい?一応雅、こんな状態だからあっちのバイクは俺が運転しようかと思って。」



「はい、ありがとうございます。」



手当てしてもらえる上にバイクで連れていって貰えるなんて、断らないはずがない。










/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp