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私達は偽者シンデレラ

第35章 もう一度


「意外に速かったな。」



「俺の昔のダチが教えてくれたんだよ。」



多分red crashのメンバーのことだろう。一度訪れただけの日代君の友達と語る人の顔をよく覚えてくれていたものだ。



私は彼らに心から感謝する。



またお礼を言いに行かなきゃ。



でもそれは助かることが大前提だけど。




「言ったよなぁお前ら。俺はもうとっくにred crash辞めたんだよ。お前らとは一切関わりねぇだろう。どうしてそこまで俺や宮原にこだわる。」



「どうしてって?そりゃあ…。」




銀髪が楽しそうに笑う。




その後に言われたことは予想外の答えだった。




「俺らのボスがお前に個人的な恨みを持ってるからだよ。」



ボス…?銀髪の男がボスではないの?



「それは初耳だな。まさかそれはあいつとか言うわけでは無いよな?」



日代君はどことなく見当がついているようだった。でもそれは当たってほしくない予想のようだ。



「お前がred crashのリーダーとして最後に戦って、お前が一番憧れていた男と一緒に初勝利を納めた相手だよ。」



確か日代君が一番憧れている人は、日代君の前のリーダーの林さんだったよね。



日代君が暴走族に入ることを決めた尊敬する人。



その人と一緒に戦った相手なんだ…。



私は日代君の顔を見る。



日代君は嫌な予感が的中したらしく、来たときの何倍も険しい顔をしていた。



「川島か…。」



「その通り。久しぶりだな、日代。」



どこからともなく現れたその背の高い男は、獲物を見つけた狼のように目がらんらんと光っていた。




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