第30章 帰り道
「確かにそうだな…。俺は多分好きな人と付き合えるようになる日が来るのを諦めるっていうことができねぇんだな。俺、ずるいやつだな。」
好きな人を独占したいっていう気持ちは誰にでもあるだろう。
それに日代だって付き合いたいのだろう。
そりゃあ日代も宮原さんも幸せになって欲しいし、二人がくっつくのなら応援したい。
でも俺たちは結局、二人の背中を押すことはできても、二人がわかり合うには二人が動かなければいけないんだ。
「こんなことになったけどさ、二人ともこれからはどうすんの?このままずっと気まずいままでいるのか?」
神崎の言葉に日代はきっぱりと返事をした。
「それは嫌だ。宮原とは仲良くしたい…。」
日代は強く拳を握る。
「俺、また宮原に会う。そんで前みてぇに笑ったりとかしてぇ。それに…。取り返しがつかなくなる前に、宮原と付き合う余裕が本当にねぇのか頭冷やしてからもっかい考える。」
ここまで日代の考え方を変えた宮原さんもすごいと思う。
早くお前らのイチャイチャしているところ、見せてくれよ。俺と由梨花はずっとそれを楽しみに待っているんだから。