第28章 告白の返事
「俺はさっき言われたこと、嬉しかった。俺に好意を持ってくれるやつなんて数えるぐれぇしかいねぇからよ。でも悪いな、俺は誰とも付き合わないと決めてんだ。」
「そっか…。でも何で?」
何で誰とも付き合わないって決めたんだろう。
女の子が嫌いなわけではないし、昔女関係でゴタゴタしたとかそういうわけでもないのに。
「…。宮原は俺に真っ正面から向き合ってくれたよな。でも俺はお前にかっこつけたくて、昔のことをひたすら隠してきた。俺が何で誰とも付き合わねぇと決めたかを話すにはそのことを話さなきゃなんねぇ。俺はOKは出せねぇけど、宮原と真っ向から向き合いてぇ。だから…。俺の話、聞いてくれねぇか。」
私は即座に頷く。
日代君が隠してきたこと。
それは多分、私がずっと知りたいと思っていたこと。
私は日代君を知りたい。フラれたし、友達の一人でしかないけど、日代君が話してくれることは全部受け止めたい。
でも日代君の秘密を知るというのはとても緊張する。
私はぎゅっと膝の上の自分の手を握りしめる。
「そう緊張するな。ただの情けねぇ男の情けねぇ話だ。リラックスして聞いてくれたらいい。」
日代君がフッと笑いながら私の方へと手を伸ばす。
「眉間にシワ寄ってんぞお前。」
そう言って私のおでこをつついてくる。
「…っ!」
思わず赤くなると、日代君はバッと身をひいた。
「悪い。」
「う、ううん。大丈夫。話して。」
私の返事を聞くと、日代君は口を開く。
「俺は後悔していることがある。多分それは一生無くならねぇ。」