第28章 告白の返事
打ち上げ花火が次々と上がっていく音を聞きながら、私達はしばしの間黙ってお互いを見ていた。
多分どちらも事態が急変しすぎたために、何が起こったのかを飲み込むまで時間がかかったからだろう。
私は私で、言ってしまった!何て返事が帰ってくるの⁉などと2つのことがぐるぐると頭を駆け巡っていて、どうすればいいのか全くわからなかった。
先に冷静になったのは日代君だったらしい。
「宮原、怪我はねぇか。」
「う、うん。大丈夫。ありがとう。」
日代君は立ちあがり私に手を差し伸べる
「大丈夫だよ、自分で立てる。」
さっき告白してしまったのと、抱きつくような姿勢になったので、これ以上日代君に触れると気が変になりそうだった。
要するにキャパオーバーだ。
「そうか。」
日代君はすっと腕をひいた。
「もう少し落ち着ける場所で話そう。」
花火が終わったあと、みんながいっせいに帰ることによっておこる混雑を恐れてか、早めに帰ろうとしている人たちがちらほらと見える。
石段のところで話していたらとても目立つだろう。
私達は神社の奥へと向かう。
ちょうどベンチがあって、私達は並んで座った。