第25章 彼の本音
祐希side
「昨日、宮原さんちに行ったんだってな」
「誰から聞いたんだ?」
「由梨花からだよ。何でそんな大事なこと教えてくれなかったんだよ。」
そこまで進展してるなんて聞いていなかったから、由梨花から聞いたときは本当に驚いた。
恋人として遊びに行った訳では無いけれど、男友達だとしてもそれは大ニュースではないのだろうか。
「あのな、祐希。友達にわざわざ自分の休みの予定を全部教えても変じゃねぇか。」
何言ってんだよ、とため息をついているが二人の行方を気にしている俺にとっては、大事なことなのだ
「別にいいだろ?日代に女友達なんて初めてだし気になってるだけだよ。それにしても向こうの親とあったりして緊張とかしなかったわけ?」
俺なんて由梨花の家に初めて行ったときなんて緊張しすぎたせいか、祐希、借りてきた猫みたいだね、なんて由梨花に大笑いされたのだから。
「前に一度会ったことがあったからな。親父さんはバイクが好きだから話が合うし、おふくろさんは優しい。弟の明人は面白いやつだったしな。」
「よく友達の家族とそんなに話で盛り上がれたね。俺としてはぜひ今後の参考にどんな話をしたのか聞いてみたいけど」
由梨花の親の前では全然気のきいたことを言えなかった記憶がある。今はもう慣れたから大丈夫だけれど、始めはもう、ヒヤヒヤしてばかりだったな。
こいつは胆が据わっていると言うのか、人と話すことに長けていると言うのか。とりあえず、人をまとめてきたやつの片鱗をうかがえる気がする。
「俺は一方的に質問されただけだ。何で暴走族に入ったんだ、とか、暴走族ではどんなことをしていたのかとかな」