第4章 早いけれど帰ります
お母さんに弟の明人がいる病院の名前を聞き、私はすぐさまみんなのところに戻った
「ごめん、今すぐ帰んなきゃなんない!」
「え⁉何かあった?」
藍那が心配そうに聞いてくる。由梨花も私の方を見ていた
この二人に気を遣わせても悪いしな…
藍那も今日を楽しみにしていたし、由梨花も忙しくてなかなか会えなかった彼氏が横にいるし…
「家の用事が急に入っちゃった。ごめん、先帰る!」
私はそのまま、カラオケ屋を出た。幸い料金は前払いだったから、もたつかずにすぐに出れた
ただ、馴れない靴で全力疾走はなかなか大変だ
靴擦れもしてきたし、足の裏がいたい
そして、私は小石に気づかず蹴躓いた。
「いったー…。」
転んで膝をついてしまい、私は思わず膝を見た
じわじわと血が広がっている
…。
やってしまった。というか、早く立って病院へ行こう。
そして立ち上がろうとしたその時に
「派手に脱げたな…。ケガはねぇか?」
そう言って私の前に座り込み、脱げたハイヒールを差し出した人がいた。
それは…
日代君でした