君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第8章 司馬の場合
とにかく俺としては、やっぱり××さんにはありのままの俺を見せたくて。
彼氏らしくって肩肘張ろうとしてる俺も、飛び跳ねる俺も、全部素のままの俺だから。
嫌われないか心配に思ったり、恥ずかしがってる暇は無いくらい、俺を知って欲しい気持ちでいっぱいだった。
改めて思い返して、××さんも同じ思いだったらいいなって思ったんだ。
「好きだよ。」
自然と口から出ていた。
決して大きくない声は、音楽にかき消されたと思うんだけど。
「今日は最高の誕生日だ!」
××さんは両手をあげて喜ぶ。
「聞いた事無い司馬君の声が聞けた!」
届かなかったと思った声は、××さんにちゃんと届いたようで。
「あたしも好き!」
××さんの声も、俺の耳にちゃんと届いた。
好きが連鎖した瞬間だった。