君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第8章 司馬の場合
ライブハウスで心配だったのは、連中との付き合いもだったけれど、ノリに乗れるかということで。
ほら、タオル回したりとか、ある種の決まり事みたいなのもあるじゃん?
まぁ何となくノッてくれればいいかなーと思ってた。
ライブ初心者でどうなることかと思ったけれど。
「○○ちゃん!ここで飛ぶ!」
「いえーい!」
もう俺以上にノッてるんじゃないだろうか。
連中に気に入られた××さんは、連中に積極的に教えを乞うていて。
気を良くした連中の教えにも、これまた素直に従っていて。
初心者とは思えない程、俺達は客席の前の方でノリにノッていた。
・・・あれ?俺の彼氏としての役割はどこに行ったんだろう?
でもまぁ、俺が身振り手振り教えるよりいいか。
連中と仲良くなってくれるのは、俺としても嬉しいし。
「司馬くーん!」
××さんが笑顔になってくれてることが、俺には何より嬉しくて、楽しかった。