君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第8章 司馬の場合
電車のアナウンスが、俺と××さんの最寄り駅の間の駅を告げる。
「ここでいいの?」
××さんの問いに俺は頷く。
「実はあたし、この駅で降りるの初めてなんだー。」
軽やかな足取りで改札に向かう××さんの数歩後ろを歩く。
可愛いなぁ。こんな可愛い人が俺の彼女だなんて。
嬉しくて嬉しくて顔は自然と笑顔になっていた。
「司馬君、早く早くー。」
いつも通り急かされても、今日は素直に従えられる。
これからいくらでも2人でいられる事、彼氏になった余裕、そんなのもあるけれど。
今日はゆっくりしちゃってたら、せっかくのデートが水の泡になっちゃうから。