君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第6章 部活
「さてさて、待たせてごめんねー。湿布しようか。」
××が俺の隣に座ると、後ろの女どもがざわめき始めた。
「きぃー!何よあの女!」
「マネージャーだからって良い気になって!」
「犬飼キュンの隣はあたしのものよー!」
お前らはいつの間に俺の女になったんだ・・・。
照れる半分、イライラ半分で俯いてしまった俺に、××も気まずそうな目を向ける。
「ごめんね。あたしなんかが隣に座って。」
そう言って××は眉尻を下げて申し訳無さそうに笑った。
「あたしなんか・・・」だと?
何を言ってるんだこいつは。
何を言わせてるんだあいつらは。
何をしてるんだ俺は。
「とりあえず謝るな。」
××はきょとんと目を丸く開くばかりだった。
「おい。」
俺はギロッと女どもに睨みを効かせる。
あんまりわーきゃー騒ぐんじゃねえ。
竦み上がったらしく、女どもは小さく悲鳴をあげながら数歩下がった。
これで少しは静かになっただろう。
××に嫌な思いさせる奴は誰だって許さねえ。