君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第1章 登校
白線ぎりぎりで、俺は電車を待っていた。
別に早朝だから人はほとんどいないのだけれど、少しでも早く乗って席を確保したい。
電車がホームに滑り込んで来ると、俺は開いた扉にすぐさま体をねじ込んだ。
「あ、司馬君。おはよう。」
電車に乗ると、心が浮き足立つ原因の人が座っていた。
隣の席はいつも通り空いていた。ほっと小さく息をつく。
会釈して××さんに挨拶を返した。
朝練にマネージャーは何人も必要ないということで、マネージャーは毎日当番制で参加してるんだけど、
今日は水曜日。××さんの朝練当番の日。
3つ隣の駅から乗って来る××さんとはいつもこの電車で顔を合わせる。
唯一2人きりで会えるこの時間に、俺は全力投球していた。