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【DB未来トラ】想い

第9章 そして…



 二人の瞳が、半年の時を経て交わる。


 もう、逢えないと思っていた。

 もう、その綺麗な青い瞳に自分が映ることは、永遠に無いのだと思っていた。


「トラン……クス……」


 ユメは震える声で小さく彼の名を呼ぶ。

 ……今、確かにそこにいる、トランクスの名を。

 でも。


「あ……」


 まず、何て言おう。

 頭にまで響く、大きな心臓の音。

 沢山、言いたいことがあるのに……。

 嬉しくて……本当にまた逢えたことが嬉しくて、喉の奥が詰まって、うまく言葉が出てこない。


 トランクスはなぜかスーツ姿だった。

 肩を上下させて、大きなブルーの瞳でユメを見つめている。


 ……彼がこんなに息を荒げるなんて。

 急いで、来てくれた……?

 まさか……違う。


 ユメは一瞬浮かんだ都合のいい考えを振り払う。


 ……私は彼に最低なことをしてしまったんだから。

 そうだ。まず、そのことを謝らなきゃ……!


「ごめんなさい!!」


 ユメはその場で深く頭を下げる。


「その、……私、自分のことしか考えてなくて、トランクスにすごく最低なこと……」


 だが、全て言い終わらないうちに、


   トランクスが、その場を蹴っていた。


「!!」


 気付いたときには、彼の腕の中に居た。

 目をいっぱいに見開くユメ。


 何で……?

 ……何で私、トランクスに抱きしめられているの?


 痛みすら感じるほどに、今、ユメはトランクスに強く……抱きしめられていた。



「ト……っ」


 苦しさで身じろぎしながら、ユメは彼の名前を呼ぼうとする。

 でも一向にその力は弱まらなくて……。

 そのときだ。


「………ユメ………ユメっ」


 耳元で微かに聞こえてきたのは、トランクスの震えた声。

 何度も自分の名を呼ぶ、彼の声。


 そして。


「良かっ……もう、逢えないのかと……っ」


 途端、目の奥が熱くなった。

 あの日から止まっていた熱い想いが、どうしようもなくこみ上げてくる。


 ……自惚れても……いいですか?

 トランクスも、私に逢いたいと思ってくれていたの……?




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