好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第1章 生の九条天
「本当にすみませんでした!!」
「だから、なに?」
自分の犯したミスに気が付いて顔から火がでそうだよ。
いや、穴があったら入りたい。むしろ、自分で掘ってそのまま潜りたい。
「すみません!!大先輩なのに呼び捨てにしてしまって!!」
「(今頃気付いたんだ)
……顔をあげて」
うっ……
声……怒ってる。
「早くして」
怖い……顔があげれない
「先輩命令……はやく」
「っ……」
もう泣きそう、ううん。
涙が滝のように流れてくる。
恐る恐る顔を上げると……無表情の天が霞んでみえる。
「ボクのこと……なんて言ったんだっけ?」
「ぅ……」
冷静になった私にそれを言わせるの?!
(天って実はS?!ドSなの?!)
「言って」
「っ……」
「はやく」
「っ……て……天っ……」
「聞こえない、もう1度」
「天!!」
私の芸能人生終わった……
「……いいよ」
「へ?」
「キミなら天って呼んでもいいよ
(泣きながらバカ正直に言うなんて面白い子)」
「……え?」
「天って呼んでもいいよ。キミは特別」
ふわっと優しく微笑む天はまるで本当の天使みたい。
もっとはっきり見たくて指で涙を擦ると、やっぱり微笑んでくれている。
「天使みたい……」
「クスッ……キミって……あ、だったね」
「はい」
「って面白い」
「っ……」
天に……あのTRIGGERの天に名前を呼ばれてしまった!!
里絵!!
今日は御赤飯でお祝いしてー!!