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好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*

第9章 唇で煽ってよ


ステップ、ステップ、ターン
天の手をとり近づいて、足を絡めて誘うように腰を振る。


「はい、ストップ」

「ダメ」

「これがキミの実力?」



何回踊っても天が納得するようなダンスが出来ない。
どのくらい踊っていたのかな?
全身から汗が流れ息が上がってる。


正直、どこをどう直していいのかわからなくて涙で視界が歪んでくる。


それを天に悟られないように汗を拭うふりして涙を拭った。
 
「はい、ストップ」

「え?」



タイミングは合ってた筈なんだけど


「ねぇキミさ……」

「?」

「本気でボクを誘ってる?」

「っ……!」


まっすぐに天に見つめられて目をそらしたくなる。
これ以上見つめられたら、かけておいた鎖が外れちゃいそうになるから。



「ねぇ……ボクを本気にさせて」

「っ……!」



本気って……
そんな私如きの女が天を本気にさせるってどうしたらいいのよ?!

しかもその言い方!!
エロいから!
(鎖が音をたてて外れていくよ)


「もっとボクを煽って……」

「ひ……っ!」


声にならない悲鳴が出そうになる。体中の血が顔に集まったみたいに火照るよ。


「くすっ
(可愛いすぎるよ。そんなに顔を赤くするなんて。もっと苛めたくなる)」


「え……あの、煽るって……?」

「言葉通りの意味だけど?」



言葉通りの意味って
私にエロが足りないからその気になれないって事……だよね?

(どうやって煽るんだよ?!)


頭が茹で上がりそう。
このシーンで更にエロを要求されるとは
(足を絡めて腰を振るだけで十分にエロいと思うんだけど) 

ねだるようにもっとゆっくり腰を回す?
(リズム取るの難しいな)

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