好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第6章 ご褒美?
「……此処って……蕎麦屋だよね?」
どっからどう見てもお蕎麦屋さんにしか見えないんだが……
楽さんがメシ食いに行こうぜって誘ってくれたから、お洒落なイタリアンかなっと思ったんだけど……
お蕎麦屋さんとは意外だったな。
「、早くおいで」
「あ……うん」
慌てて里絵の後をついて店内に入ると襖で仕切られている部屋がいくつもある。
結構広い店なんだ。
きょろきょろと周りを見ていたら襖が開いて
「Wow!!ここで会えるなんて運命です。マイプリンセス」
「ナギさん……?!え?なんでいるの?」
「ここで出会えたのも運命です。ワタシと一緒にディナー、しませんか?」
流れるような仕草で私の手をとり、甲にキスをされてしまった。
「ロマンティックな夜をプレゼントしますよ」
「っ……」
いつもの冗談ってわかってるんだけど、やっぱりイケメンに言われるとドキッとしちゃうな。
「……なにしてるの?」
「Why?九条氏?……なぜ九条氏がここに?」
「その手を離して」
私とナギさんの間を割って入ってきた天。
なんだか機嫌が悪い……?
「Hum……ワタシと九条氏はライバルですね?」
ライバル?
何の話だ?
「キミがボクのライバル?」
「ワターシ、負けませんよ」
「キミがボクに勝てるわけないでしょ?」
勝ち誇ったように笑みを浮かべる天と挑戦的に天を見つめるナギさん。
2人の間に流れる空気が重たいんですが?
なんで?
「、行くよ」
「え……?あ、はい」
どうしましょう?!
天が……天の手が私の手を握ってくれてるんだけど。
いいのか?!
(嬉しくて顔がにやける)
添えていた指にちょっとだけ力を込めてみたら
「っ……!」
握り返してくれた!!
もう、ダメ……
恥ずかしくて死んじゃいそう。
天の背中でさえ見れなくて自分の足元を見てしまう。