第2章 日常
アマテラス「ラー様、ハデス様、お二人の仰る事…そしてそこの酔いどれジジイが言っている事は正しい事です。本来なら一人の女性のみを愛する…コレが一番よろしいでしょう。ですが、世の中そうもいかないのです。どれだけ愛していても知らず知らず男性は女性へ、女性は男性へと目が行ってしまうものです。ソレを人の性とよく言いますが、神でも男でも女でも…ソレは同じ事なのですよ」
あっさりと返ってきた…しかも結構的を射てるアマテラスの言葉にラーとハデスは言葉が詰まる。
言い返し様がない。
アマテラス「もちろん、お二人の事を否定する訳ではありませんよ?お二人のお考えはとても立派で素敵だと思います。とくにハデス様の愛妻家ぶり…ペルが聞いたら恥ずかしがるでしょうが、とても喜ぶでしょうね。ラー様は独り身ですが、もしご結婚されたらその方は幸せですね。一生自分だけを愛してくれる男性が伴侶なのですから」
ニッコリと微笑むアマテラス。
その表情に2人(とくにラー)は頬を赤らめる。
イザナギ「オイオイ、オレはどうなんだよ?オレの考えは立派じゃねぇってのか?ん?」
自分が含まれていない事が気に入らなかったのか、イザナギがアマテラスに絡み出す。
すると…
アマテラス「黙っていろクズ、貴様どの口がほざくか。死んだ母様に会いたいと喚き散らし黄泉の国まで行って母様との約束を破り母様の事を覗いて激怒された挙句、その姿に恐れ慄き逃げ出してきたのは誰だ?」
キレたアマテラスに捲し立てられ青褪めるイザナギ。
それを見て毎度の光景ながら一気に人格が変わるアマテラスにビビる周りとビビりはしないが苦笑いを浮かべるツクヨミ。
痛い所を突かれイザナギは何も言えなくなってしまった。
アマテラスはハッとなって口元を押さえ「フフッ、失礼」と笑顔を作った。
『世界一恐い女神』の異名は伊達じゃない。