Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第8章 ★忠犬リエーフ《灰羽 リエーフ》
【蒼井 side】
春。
それは、出会いと別れの季節。
そういえば私がカレと会ったのも、
季節的には春だった。
葉桜にはまだ間がある頃のこと。
ヒョロリと長い身長、
サラリとした銀髪、
エメラルドグリーンの瞳、
そして、人懐っこそうな笑顔。
話を聞けば、ロシア人とのハーフで、
なるほど、日本人離れした容姿にも納得。
そんなカレを例えるなら…
―――大型犬かな?
大学に入ってから始めたファストフード店のアルバイト。卒業したばかりの音駒高校から徒歩5分。時々後輩たちを目にするから、恥ずかしかったり、嬉しかったり。
バレー部のみんなは、時々顔を出しに来てくれる。鉄朗も衛輔も信行も、みんな元気そうで良かった。
しかも部活内では先輩になってるっていうのが笑えた。私からしたら、先輩!と慕ってきた後輩のままだもの。
大学に入学してから2年、鉄朗たちは3年生になった。あの日も、部のメンバーを連れて大人数でやって来たんだよね。
私とカレが出会うキッカケをくれたのは、今思えば、鉄朗だったのかも。
恋のキューピッドだね!とか言ったら調子に乗りそうだから、止めておこ。