Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
おまけの1コマ
【NO side】
牛島、天童、大平、瀬見の4人が夕暮れの町を歩く。ふと、天童が後頭部で手を組んでぽつりと言った。
「しっかしあの2人、気付かないんだねー」
「まったくだ」
「見てるこっちは分かったのにな」
両想いだ、って。
牛島を除いた3人が話すは、2人の後輩のこと。くっつきそうでくっつかない、微妙な距離にやきもきしていたのだ。
「あれだよ。白布って感情をさ、あんまり表に出さないじゃん。若利くんなみに」
「俺がどうかしたか」
「天童が牛島を小バカにしてるぞ」
「そうか」
「いや、反応薄ッ!?」
ニヤニヤしながら天童が言った。瀬見が牛島にそれを教えるも、牛島は特に興味も無いようで、スルーした。肩透かしを食らった天童が空かさずつっこむ。
それを見ながら、大平も言った。
「まあ、あの感じだともうそろそろくっつくんじゃないのか?」
「えー、じゃあまとめてイジリ倒せるね!」
「天童、ゲスいのが出てる、ゲスいの」
ゲヘヘッと不気味に笑う天童。瀬見が後ろからチョップをかました。
「ねー、若利くんはどう思う?」
「色恋沙汰に興味は無い」
「えー、つまんなーい。彼女ほしー」
「まずはゲスいのを直したらどうだ?」
「獅音も冷たくなってる!?」
ぎゃーぎゃーと賑やかな3人の横で、牛島が黙々と歩く。オレンジ色の夕陽が、4人の背中を優しく照らしていた。
今度こそEND.